米国における著作権法・フェアユース・オンラインの表現の自由に関する訴訟での法廷意見書

Dr. Seuss対ComicMix裁判

2019年10月、 OTW法的サポート委員会は電子フロンティア財団、パブリック・ナレッジ、Francesca Coppa教授、スタートレックの著者たちなどの協力者と共同で、Dr. Seuss対ComicMix裁判の訴訟に法廷意見書を提出しました。本件は『Oh, The Places You’ll Boldly Go』というドクター・スースとスタートレックのマッシュアップ作品の書籍に関わる訴訟です。意見書では、マッシュアップやリミックス作品の社会的・芸術的価値を論じ、本作品のようなマッシュアップがしばしば原作のフェアユースに該当することを説明しています。

Smith対Drake裁判

2019年7月、 OTW法的サポート委員会は他の協力者と共同で、Smith対Drake裁判の訴訟に法廷意見書を提出しました。本件はミュージシャンであるドレイクが、ある曲からラップの一部をサンプルとして使用したことに関わるものです。OTWは、原作の使用が、原作とは異なる意味やメッセージを伝えようとするために行われた場合はフェアユースの原則にのっとって変形的だとみなされるべきであり、直接的な批評やコメンタリーを行っていなくてもよいという主張を述べました。OTWはまた、フェアユースの原則にのっとれば、変形的な利用において元となる作品のうち相当の量を使用しても法的に許容されることを主張しました。

Star Athletica対Varsity Brands裁判

この米国最高裁判所に提出された意見書において、OTWはパブリック・ナレッジ他、消費者、裁縫を趣味とする人々、図書館、3Dプリント業者、それぞれを代表するいくつかの団体と共同で、著作権法を衣服のデザインに適用する拡張はすべきではないという主張を行いました。 本件はチアリーディングのユニフォームのデザインに関する著作権係争ですが、アパレルと工業デザインへのより広範囲な影響があります。一部には、本件がコスプレやそれに類するファンが衣装を楽しむ行為に影響を及ぼすという考え方もあり、OTWが本意見書を提出したのはそうした理由からです。OTWは、本件の判決に関わらず、コスプレは合法であると考えています。しかし、意見書にあるように、著作権保護が拡張されると、コスプレイヤーやそのほかの衣装作りを行うファンは「クリエイティブな世界において著作権料やその取引コストを支払える人々よりも歓迎されない」という、著作権法の目的とは異なるメッセージを発信することになります。

Stephanie Lenz対Universal Music Corp.、Universal Music Publishing, Inc.並びにUniversal Music Publishing Group裁判

2016年9月15日、OTWはパブリック・ナレッジと共同で、Stephanie Lenzによる米国最高裁への審理要求を支持する法廷意見書を提出しました。OTWの主張は、第9巡回区控訴裁判所の判決を維持すれば、ある作品がフェアユースに該当しないと著作権所有者が「主観的かつ誠実に信じている」ことのみを根拠にDMCA削除通告を送れるようになるため、インターネットにおける表現の自由を委縮させ表現の検閲を招くであろう、というものです。

この意見書では、著作権所有者がDMCA削除通告を送る際、その作品が著作権を侵害しておりフェアユースに該当しないと「主観的かつ誠実に信じている」のみでよいとした第9巡回区控訴裁判所の決定は、基準をあまりに低く設定しているという主張を行いました。私達は「客観的かつ誠実に信じる」という基準を採用を支持し、削除通告を送る前に著作権所有者にフェアユースについての十分な考慮を義務付けることを求めました。

OTWはパブリック・ナレッジならびにスタンフォード・フェアユース・プロジェクトが代表を務める国際ドキュメンタリー協会と共同で本意見書を提出しました。意見書の中では、根拠のない著作権侵害の訴えはフェアユースと法の下の表現を脅かすと述べ、執拗なDMCA通告の濫用例について詳述しています。法令では、削除通告を送る場合はその使用が「法的に認可されない」ことを確認する必要があり、偽証した場合は偽証罪によって罰せられるという条件があります。そのため私達の主張では、現行法の下では権利所有者はDMCAに基づいて通告を送る前にフェアユースかどうかに関する誠実な信念を形成する必要があり、UniversalがLenz氏の動画に行ったように「とりあえず撃ってから尋問をしよう」といったアプローチは罰されるべきであるとしています。

Capitol Records対Vimeo裁判

OTWは、民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology:CDT)、New Media Rights、電子フロンティア財団、パブリック・ナレッジと共同で、連邦控訴裁判所に対し、Capitol対Vimeoの訴訟において連邦法の意図に反するレコードレーベルの訴えを却下するように求める意見書を提出しました。本件は表現の自由とイノベーション、その両方を支えるウェブサイトの存在を脅かすものです。具体的には、本法廷はコンテンツが著作権侵害かどうかを判断する「危険信号(red-flag)」認識について論じており、そうした認識があった場合、ホスティングサービスは削除通告を受けていなくても該当コンテンツの削除を求められます。意見書の中でOTWは協力団体とともに、本法廷が設定した基準ではユーザー主導のコンテンツをホスティングしているウェブサイトに不当に重い負担を強い、フェアユースの原則で保護された価値ある表現を委縮させることなどを論じています。

Cindy Lee Garcia対Google, Inc.、YouTubeLLC他、並びにNakoula Basseley Nakoula裁判

2014年11月12日、法廷は以前の判決を無効とする決定を下し、本件を3人合議法廷だけでなく、裁判官全員によって12月に再審理するよう求めました。OTWは本件に関する新たな意見書を提出し、元の意見書での主張をさらに詳述しました。

OTWはTechDirtを運営するFloor64と共同で、判決の再考を求める意見書を提出しました。その理由は、当該判決は本件に限れば適切かつ現実的な結果を生むかもしれないが、しかし一方でインターネットの表現の自由を脅かす危うい法解釈を生むものである、というものです。本件はコンテンツのホスティングサービス(YouTubeやAO3など他多数)のユーザー投稿に対する法的責任を免除する、DMCAと通信品位法230条のセーフハーバー適用範囲と運用に関わるものです。

Fox Broadcasting Company, Inc.、Twentieth Century Fox Film Corp.並びにFox Television Holdings対Dish Network L.L.C.並びにDish Network Corporation裁判

OTWは電子フロンティア財団およびパブリック・ナレッジと共同で法廷意見書を提出し、以下の主張を行いました。「著作権法はFoxのような著作権所有者に対し、作品の使用に関する完全なコントロール権を与えるものではない。地方裁判所は明確な判例と健全な原則に基づき、Dishのコマーシャルスキップ利用者はFoxの専有権に抵触せず、Dishは顧客の利用に関し責任を負うことはないであろうこと、そしてFoxは回復不能な損害を受けたとはいえない、と認定した。本法廷は地方裁判所の判決を支持した上で、Dishの中間的コピーがフェアユースであることを改めて認めるべきである」

Salinger対Colting裁判

OTWは、アメリカ図書館協会研究図書館協会大学・研究図書館協会Right to Write基金 の要請に応じ、サリンジャー対「60年後」の訴訟について共同で法廷意見書を提出しました。OTWのRebecca TushnetとCasey Fieslerは、スタンフォードのCenter for the Internet and Societyおよび UCバークレー法学部と協力して意見書を作成しました。